強制的に体重を増減させる実験
セットポイント説によると、体重は生理的なメカニズムで一定にたもたれています。したがって、体重がセットポイントによって決められた値から変化したときには、もとに戻そうとするメカニズムが働くはずです。
では、強制的に体重を増減させる実験では、どのような現象がみられるでしょうか。一般に、実験動物に強制的に過食をさせ肥満体にすると、その動物は食欲を失います。反対に、絶食により体重を減少させると、食欲が増します。
初期の代表的な実験は、1962年に報告された、エール大学のコーンとジョセフによるものです。彼らは、ラットに強制的に餌を食べさせ、体重を通常の二倍にしました。次に、過剰摂取によって肥満になったラットを自由に餌を摂る環境に戻すと、標準体重のラットと比べて明らかに少ない量の餌しか摂らなかったのです。
また、肥満ラットのうち二匹を低温室(摂氏五度)に入れると、11~16日の間、まったく餌を摂らなかったといいます。これらのラットが通常の量の餌を摂取するようになったのは、餌の強制摂取により増加した体重が失われ、もとの体重に戻ってからだったのです。
アメリカ・ジョージア大学のハリスらも、同様の結果を報告しています。彼らは、ラットに摂取させる餌の量を、通常の40%に制限したグループから最大200%に増やしたグループまで設定し、体脂肪量の変化を調べました。
そして、強制的に変化した体脂肪の量と、その後の自発的な摂食量が、負の相関関係にあることを示したのです。
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